半導体デバイスの微細化を実現し、高性能化と低コスト化を進める次世代露光技術、EUVL(extreme ultraviolet lithography:極端紫外線リソグラフィ)の実用化が始まろうとしています。

当社は以前からEUVLの検査技術に携わり、2011年から5年間、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による支援の下、
(株)EUVL基盤開発センター(EIDEC) と共同研究を進めてまいりました。検査に用いるEUV光(波長:13.5nm)は、大気中で減衰することから真空光学系が必要となります。また、EUV光は透過するレンズ材料が存在しないため、反射光学系を用いる必要があります。共同研究ではこれらの技術課題を解決し、EUV光による検査技術を確立いたしました。

 

2017 年4 月、この共同開発で得た技術を適用し、EUVL量産化実現に不可欠な検査装置EUVマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置ABICS「E120」を製品化しました。

検査対象であるEUVマスクブランクスは、表面に80層の多層膜からなる反射層を形成しています。マスクブランクスの製作工程で多層膜内部に微粒子などが入ると、露光に影響を及ぼす位相欠陥となるため、それらの欠陥を無くすことは重要課題となっていました。

本製品の特長として、Actinic 検査(露光装置と同じ波長の光を用いる検査)と暗視野検査を実現したことが挙げられます。検査にも露光と同じ波長のEUV 光を用いることで、転写性欠陥を検出することができるようになりました。また、暗視野検査では高感度かつ高速な検査を実現しました。これらの性能は、EUV用マスクブランクスの欠陥管理や歩留まり向上に大きく貢献します。

 

新中期経営計画フェーズⅢ(2018年7月〜2021年6月)では、コアビジネスと新規事業の2分野を軸に、EUVL関連装置を新規事業の柱とし売上を伸ばしてまいります。

必要な検査技術を必要なタイミングで確立し、EUVL量産化に貢献していくとともに、ABICSの開発で得られた技術を他の装置に展開していくことで、さまざまなお客さまのニーズにお応えしていきたいと考えています。

 

現社名(株)先端ナノプロセス基盤開発センター(コンソーシアム企業)
株)EUVL基盤開発センターは共同研究当時の社名

 

用語解説
リソグラフィ 半導体デバイスの微細で複雑な回路パターンを、露光装置を介してウェハ上に転写する技術
マスクブランクス 回路パターンが描かれる前の基板