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EUVLマスクサブストレート/ブランクスの検査装置共同開発で合意、調印

2002年11月01日

レーザーテック(株)と米国インターナショナルセマテック(International SEMATECH,"ISMT")が将来に向けたEUVLマスクサブストレート/ブランクス検査装置の共同開発で合意、調印

概要

インターナショナルセマテック(International SEMATECH "ISMT")とレーザーテック(株)は両者が協同で2004年10月を目標にEUVLマスクサブストレート/ブランクス検査装置を開発することに合意、調印したと発表しました。この共同開発プログラムは、半導体業界が、次世代リソグラフィにおいて実現されることが最も期待されている技術、と位置付けているEUVL(Extreme Ultra Violet Lithography)に重要な技術基盤を提供することになります。この契約期間中、検査技術を専門とする当社と半導体素子メーカの世界的なコンソーシアムであるISMTが、当社のマルチレーザビーム共焦点技術を使って、産業界がEUVLマスクブランクス検査分野に対してもつ将来的な要求を満たすべく新しいEUVLマスクブランクス検査装置を開発します。 ISMTの先端技術担当COOであるBetzy Weitzman女史は"ISMTには産業界が行うリソグラフィ新技術に必要なインフラの整備を助成することに使命がある。ISMTとレーザーテックとのパートナーシップはEUVL実用化の成功に向けてキーとなる部品であるマスクブランクスの開発を加速するものである"とコメントしています。 EUVLは、解決すべきかなりの課題はあるものの、次世代リソグラフィ技術として最も有望であると産業界で位置付けられてきました。より微細なパターニング(0.07ミクロン以下のパターンルール)を追い求める努力のなかで、世界の技術者達が13.5ナノメータの露光光源と露光工程で使われる従来の透過型マスクに代わる反射型マスクを採用する妥当性を実証すべく研究を続けています。 EUVLマスクは表面上のみならず、反射層を形成する多層膜の内部にある欠陥あるいは異物さえ完全に取り除かねばなりません。これらの"キラー"欠陥は現存の検査装置では検出できないくらい小さいので、これらの小さい欠陥を検出可能な検査装置がEUVLブランクスの製造工程において重要な役割を担うことになります。このような理由からISMTと当社は産業界が高機能のEUVLマスクブランクス検査装置を必要としているという点で見解が一致し、このような高機能検査装置を作り出す共同開発を推進することに合意しました。当社社長の小杉は"マスクブランクス検査分野での専門技術をISMT及び産業界に提供できることは喜ばしい。今回はISMTが初めて日本の民間会社と共同開発プラグラムを遂行するということであり、その点でも意義深い。私どもは今回の合意がISMTに代表される有力半導体素子メーカと我々のように世界に装置を供給している会社との提携がもたらす利点の優れた例を示すと考える。"とコメントしました。当社専務の渡壁によれば、開発中のEUVLマスクサブストレート/ブランクス検査装置は、1基板当り60分以内で、30ナノメータの欠陥あるいは異物を検査できる性能になります。この性能はEUVL開発が主流技術となることを加速し、さらに半導体製造メーカのみならずブランクス基板あるいはマスクブランクス製造メーカにも明確に利点となります。さらに小杉は"この共同開発がきっかけとなって世界中のEUVL技術開発がより集中的に遂行されるきっかけとなり、産業界がEUVL技術開発を結実させる能力を高めることになればよいと思っている"と語りました。

ISMTのマスク戦略プログラムのマネージャであるKurt Kimmel氏は次のように述べています。 "マスクブランクス検査はEUVL開発において避けて通れない重要な技術課題である。実際、最近開催された国際EUVLシンポジウムで'検査も含めて、無欠陥多層膜を施されたマスクブランクスの製造が、EUVリソグラフィ実用化において産業界が直面する最も緊急の課題である'と参加者達の意見が一致した。我々はこの重要な挑戦に向かいレーザーテックと協働するのを楽しみにしている。"

用語説明

※マスク・サブストレートとは、マスク・ブランクスを作る前のガラス基板です。
※マスク・ブランクスとは、パターニングされる前のフォトマスク製造用の基板です。
※EUVLはExtreme Ultra Violet Lithography(極端紫外線露光技術)の略です。

SEMATECHについて

International SEMATECH(ISMT)は1988年より半導体製造業界の革新課題に効果的に取り組む半導体技術開発のグローバルコンソーシアムです。会員会社は Agere Systems, AMD, Hewlett-Packard, Hynix, IBM, Infineon, Intel, Motorola, Philips, ST Microelectronics, Texas Instruments およびTSMCです。ISMTは先端技術研究を行い、高く評価されている技術開発機関で、その役割は全ての半導体素子メーカの共通利益を追求することにあります。ISMTは装置メーカ、材料メーカ、ならびに政府、大学の研究機関との協力関係構築に広い経験を持ち、将来世代の半導体素子製造に必要な装置と技術に磨きをかけています。


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