当期(2017年6月期)の業績報告

株主の皆さまにおかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

好調な市場環境にも恵まれ、売上、利益ともに過去最高の業績を達成いたしました。

当社の主要販売先である半導体業界では、IoT(さまざまなものがインターネットにつながる)やAI(人工知能)の進展、データサーバーの需要の高まりなどから、メモリーメーカーにおける3D-NAND向け投資が活発になり、大手ファウンドリも10nmノードなど微細化のための先端設備投資を高い水準で継続しました。このような環境下、当社は大手ファウンドリ向けを中心に、特に半導体フォトマスク欠陥検査装置が過去最大の受注獲得に成功し、当期の好業績へとつながりました。

当期の業績は、売上高173億69百万円(前連結会計年度比13.6%増)、営業利益49億60百万円(同12.0%増)、経常利益49億89百万円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する当純利益35億54百万円(同10.1%増)となりました。

新中期経営計画フェーズⅡの2年目、進捗状況について

コアビジネスのさらなる強化と新規事業の拡大を進めた結果、当期の受注額は254億10百万円に達し、当期末受注残は過去最大の182億53百万円をもって今期(2018年6月期)に入ることができました。フェーズⅡの計画達成に確かな手ごたえを感じております。

半導体マスク欠陥検査装置MATRICSにおいて、最先端の10nm~7nmノードに対応したモデルX810EXを前期に市場投入し、受注面でも売上・利益面でも当期業績に大きく貢献しました。当モデルを中心とした半導体マスク欠陥検査装置が今期も引き続き業績を牽引していくと見込まれます。

FPD(フラットパネルディスプレイ)関連では、旧ラインの生産停止によるLCD(液晶)パネルの生産調整が進捗し、足元のパネル需給環境に改善がみられました。今期はLCDから有機ELパネルへの移行のための投資が継続し、10.5世代と呼ばれる大型パネル向けの投資も本格化すると予想されることから、この設備投資拡大の好機を逃さず、FPDフォトマスク欠陥検査装置CLIOSの受注・売上の増加を図ります。

新規事業の半導体ウェハ検査関連では、2015年9月に発表したSiCウェハ欠陥検査/レビュー装置の新モデルSICA88が好評を博し、高いマーケットシェアを獲得できました。その他の半導体ウェハ検査関連製品でも新規のお客さまからの採用が進んでおり、新規事業の基盤作りが順調に進んでいます。

また、新しい露光技術であるEUVL(extreme ultraviolet lithography:極端紫外線リソグラフィ)への対応では、当期に露光波長と同じ13.5nmの光源を用いるEUVマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置ABICSを発表いたしました。当社はEUVLに対応する製品として、既にEUVマスクブランクス欠陥検査/レビュー装置ABICS、マスク欠陥検査装置MATRICS(EUVオプション)、EUVマスク裏面検査/クリーニング装置BASICの3製品をラインアップし、2019年頃と言われているEUVLの量産適用に向けた積極的な営業活動を推し進めています。

今後の半導体産業の成長に関して

さまざまな機器がインターネットでつながり、各種機器の情報やセンサで取得したデータが巨大データセンターに保存、蓄積される時代が到来しています。AIを進化させるディープラーニング(深層学習、機械学習の一種)と呼ばれる手法が主流になってくると、より正確な学習を行うために、より膨大なデータの収集が必要となり、そのビッグデータを高速で分析処理するプロセッサーも必要となります。IoTでは莫大な量の通信デバイスやセンサが使われ、集められたデータを保存するデータセンターでは膨大な量のメモリーやプロセッサーが使われます。これらすべてが半導体または半導体の技術を用いて作られたものです。

現在の半導体の主な用途であるパソコンやスマートフォンでも半導体の使用量は年々増加していましたが、これらに加えてIoTやAIなどの新しい用途の拡大によって、半導体の使用量は将来にわたって加速度的に増大していくことが見込まれます。さらにEV(電気自動車)化や自動運転の進展は、自動車産業における半導体やセンサの使用量を飛躍的に増加させます。これらのトレンドを踏まえ、半導体産業の長期的な成長は続くと確信しています。

この成長する半導体産業の一大生産拠点になろうとしているのが中国です。SEMI(半導体製造装置、材料を中心とするエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会)の2017年7月の予測では、2018年に中国が韓国に次いで2番目に大きな半導体製造装置(検査・計測装置含む)の市場になる見通しです。中国政府の後押しもあり、その後も大きな成長が見込まれていることから、中国でのサポート体制を一層強化するため、当社は2017年6月中国上海に現地法人を設立しました。今後中国におけるサポート拠点を順次拡充していきます。

中間配当の実施

当社は、株主の皆さまへの利益還元の機会を充実させるため、剰余金の配当を、期末配当として年1回実施する方針から、中間配当と期末配当の年2回実施する方針に変更いたしました。中間配当は今期より実施する予定です。なお、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会が配当の決定機関となっております。

安定的な利益還元を行うとともに、業績に応じた弾力的な配当政策を行い、連結での配当性向35%を目安とする利益配分に関する基本方針に変更はございません。

おかげさまで、当期は売上、利益、受注・受注残全すべての面で過去最高の成績を達成することができました。今後はより一層成長スピードを加速させ、株主さまのご期待に応える所存です。

また、当社は、投資家の皆さまに投資しやすい環境を整えるとともに、投資家層の拡大を図る目的から、2017年4月1日付けで1:2の株式分割を行いました。今期からは中間配当を実施することで、株主さまへの利益還元の機会を増やします。これらの施策により当社の株式が、投資家さまや株主さまにとって今まで以上に親しみやすく身近な存在となることを切に願っております。

株主の皆さまにおかれましては、変わらぬご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2017年8月 代表取締役社長
岡林 理